なぜメディカルダイエットが発達障害対応に取り組むのか

日本メディカルダイエット支援機構は、メディカルダイエットを推進するために関連する活動をしている団体を支援することを目的として活動している特定非営利活動法人(NPO法人)です。自分たちがメディカルダイエットの活動をするのではなくて、あくまで支援です。その活動範囲に発達障害児の支援を掲げていますが、「なぜメディカルダイエットが発達障害に踏み込むのか」と質問されることがあります。これはメディカルダイエットという言葉よりもダイエットのほうに気を奪われているせいかもしれません。
ダイエットは決してやせるという意味ではなく、元々の英語の意味の作戦、方針、戦略に由来していて、正しい方針に基づいた健康づくりを指しています。医療関係者ならメディカルダイエットと聞くと、生活習慣病予防のことだと、すぐに気づいてくれます。
生活習慣病を予防するには、身体の機能を正しく調整するために必要な栄養摂取が基本となります。ただ、栄養学的に必要とされる栄養素を摂ればよいというだけではなくて、生命維持にも発育にも疲労回復にも必要なエネルギーを全身の細胞で作り出すためのエネルギー代謝を中心に栄養摂取を考えています。
成長期の子どもは三大エネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)を充分に摂り、これをエネルギー化させるためにビタミン、ミネラルも多くの種類が豊富に必要になります。それなのに私たちが相談を受ける小児肥満では食事量を制限するために必要な栄養素が不足することにもなり、それがエネルギー代謝を低下させることにもなっています。これに発達障害の感覚過敏などに現れる極端な偏食が加わると、通常の食事ではエネルギー代謝が低下して、脳と身体の機能を低下させることにもなります。発達障害児は、ただでも多くのエネルギーが必要となるので、食べられるものが限られた中では、ほとんど手がない、お手上げということもよく聞いてきました。
それならば、メディカルダイエットの研究に基づいた手法を、発達障害児の食事を支える保護者のために役立てようということで、発達支援の食事、教育レベルを高めるための食事として、教育と情報発信に取り組んでいます。日本メディカルダイエット支援機構は公益活動100%で、収益を得ることができる公益活動は教育と情報発信に限られるため、他の団体や企業とともに発達障害児のための栄養支援を進めていこうとしているのです。