工場の汚染排水や排気、自動車などの排気ガス、農薬などの鉛、カドミウム、水銀、ヒ素などによる環境汚染は進み、環境破壊にストップをかける活動が進んでいても、水や土壌、空気を通して、体内に入り込んでくる汚染物質の量は増え続けています。これらの環境汚染物質は、プランクトン、小魚から始まり、徐々に大型の動物への蓄積されていく食物連鎖が起こり、最終的には食物連鎖の頂点に立つ人間の体内に最も蓄積されていきます。
水銀やカドミウムなどの有害ミネラル(有害金属)は加熱調理しても大きく減ることはなく、魚を多く食べる日本人には、有害ミネラルによる健康被害のリスクが高まっています。健康維持に必要な必須ミネラルが全身の細胞に分布しているのと同様に、有害ミネラルも全身のあらゆるところに蓄積されていきます。ヒ素は全身に蓄積されますが、その他の有害ミネラルは特に蓄積されやすい部位があります。アルミニウムは脳、肝臓、腎臓、骨に、水銀は肝臓、腎臓、骨に、鉛は肝臓と骨に蓄積されていきます。
有害ミネラルが蓄積されているのは身体の奥の見えない部分で、蓄積が進んでも気づきにくいものです。そのやめに有害物質を解毒・排出するためのデトックスの対策が遅れがちです。デトックス(detox)は解毒を意味するdetoxificationを短縮した言葉です。
では、有害物質を体内に入れないような生活をすればデトックスの必要はないのかというと、まったくの無害生活をしたとしても体内では魚(特に干物)と野菜(特に漬物)を食べることによって胃の中で発生するニトロソアミンという発がん性も認められている物質が発生してしまいます。また、腸内細菌の悪玉菌が腸内での腐敗を進めることから発生する毒素(有害物質)は、大腸壁から吸収されて、これも体内を巡ることになります。悪玉菌が主な栄養源(エサ)としているのは動物性たんぱく質と脂肪です。和食を食べていても、洋食を食べていても体内で有害物質が発生してしまうということです。