◎紫外線の強さが抗酸化力を高める
ウコンの色素であるクルクミンの量の多さは、育つ環境の紫外線の強さに関係しています。紫外線は活性酸素を大量に発生させます。紫外線が強ければ、それだけ植物の内部で発生する活性酸素が多くなり、植物の細胞が傷つけられやすくなります。それを防ぐために内部に抗酸化作用のある色素を溜め込んでいるわけです。
抗酸化物質は活性酸素に電子を奪われやすいために、これを摂ることによって体内で発生した活性酸素は抗酸化物質の電子を先に奪うために、体の細胞の電子が奪われるのを防いでくれます。
春ウコンは日差しが強い沖縄産が多く出回っています。秋ウコンも育てられていますが、秋ウコンは沖縄以上に日差しが強い東南アジアが原産地で、東南アジア産のウコンにはクルクミンの含有量が多くなっています。ウコンの抗がん作用、肝機能強化作用が注目されたのはアメリカなどで研究が相次ぎ、各種学会で発表が行われたことによりますが、これらの実験に使われていたのは秋ウコンでした。
ところが、タイミングを同じくして沖縄物産のブームが起こり、秋ウコンが体によいという話が、ウコンがよいという話に入れ替わり、春ウコンの効果として広まる結果になったという経緯があります。もちろん、春ウコンにも効果はあるわけですが、クルクミンの含有量が結果を大きく左右するだけに、実験結果が掲載されていたときにはどのウコンによって行われたものであるかを確認するのは重要なことです。そして、ウコンの種類とともに、産地にも注目するべきです。