初めて顔合わせする方には、これまで何をしてきたのかを徹底して聞くようにしています。聞かれる側も、話をすることで、これからのつながりになることを見つけてほしいという気持ちがあります。日本メディカルダイエット支援機構が仲介して実績のある方同士を出会わせて、新たな道を開こうとして面談の場を設けたときのこと、先に話をした方がたっぷりと実績を述べたあとに、もう一人に話をするように振りました。お互いに実績を話せば、さらに新規事業の道筋を描けると思っていたのですが、思わぬ一言でオジャンになってしまいました。
「私も自慢話をさせてもらいます」と言い出されたときに、それまで和やかに話をしていた方の顔色が急変しました。相手のためを思って話をしていたことが、自慢話と切り返されてしまったのですから。その“自慢話”は、自慢をしているという意識がなければ、それこそ素晴らしい内容で、新規事業の糸口はいくつもあったのですが、話をされている側に聞く気がないような状態になったときには話せば話すほど不快な気持ちにさせてしまうだけです。
そのことを踏まえて、自慢と思われるかもしれないことを書かせてもらいます。あえて過去の話をするのは今に続いていることだからです。バブル時代のように社会情勢が違ったから成り立ったことを話していたら、それこそ自慢話になっていまいます。今に続いているだけでなく、先へと進めることができることでなければ、これも話をする意味がありません。社会情勢の変化といえば、コロナ禍で情勢は随分と変わってしまい、私たちが関わる健康づくりの分野も、これまでの手法では通じなくなりつつあります。だからこそ、過去を振り返り、その中から今にも先にも役立つことを見つけたい、また周囲の方々に見つけてほしいから昔語りをするのです。
ということで、初めに伝えさせてもらうのは公益財団法人日本健康スポーツ連盟のことです。日本メディカルダイエット支援機構の理事長は、この法人の理事を務めていました。担当は健康運動指導士と健康運動実践指導者の更新教育です。一番人気はサプリメント科学の講習でした。
健康スポーツというのは健康を強く意識したスポーツということですが、最も大きな仕事は厚生労働大臣認定運動型健康増進施設の調査と指導です。有効性、安全性、医療機関との連携、運動のプログラム、指導者(健康運動指導士)の存在といった条件をクリアすると厚生労働省に申請をして大臣認定を受けることができます。全国に5000軒ほどあるフェットネスクラブのうち336施設が認定を受けている優良施設です。
地域の健康づくりに活かすためにはフィットネスクラブの協力も必要ですが、個々の施設との連携だけでなく、この全国ネットワークを活用することで、より高いレベルの健康づくりができると信じて、理事であったときの話をさせてもらっています。