「災い転じて福は内」は、「災い転じて福となす」をもじったものですが、自分の心の中で言い聞かせるのではなくて、大声で勢いよく「福は内」と言い続けなければならないのがコロナ禍の状況ではないかと強く感じています。
掛け声をかけて元気に歩み出すということで思い浮かべるのはウォーキング大会のスタートのシーンです。東京から岡山に移住する前は、日本メディカルダイエット支援機構の本部も東京にあって、ウォーキング関連の団体とも交流をしてきました。当支援機構の理事長は公益財団法人日本健康スポーツ連盟の理事を務めていましたが、同時期の理事に一般社団法人日本ウオーキング協会の常務理事(現在は専務理事)がいたこともあって、ウォーキングのイベントや資格認定教育に関わらせてもらいました。ちなみにウォーキングが一般の用語ですが、日本ウオーキング協会は“ウオーキング”を正式な用語としています。(文字の変換ミスではありません)
ウォーキングは最も手軽に始められる運動で、ただ歩くことからポールを用いたノルディックスタイルのウォーキング、さまざまなテクニックを用いたウォーキング(パワーウォーキング、ジョグウォーク、インターバルウォーキングなど)があります。日本メディカルダイエット支援機構では、インターバルウォーキング(普通歩行と速歩を繰り返すエネルギー代謝を高める方法)とノルディックウォーキングを採用しています。
ウォーキング大会は、日本ウオーキング協会の傘下の都道府県のウオーキング協会が協力して、全国各地の自治体との協力のもとに実施されてきました。過去形で書いたのは、コロナ蔓延から軒並みウォーキング大会が中止されていて、いつから再開できるのか目処が立っていないからです。日本ウオーキング協会のウォーキング大会の特徴は、とにかく長い距離を歩くことです。前の東京オリンピックが開催された1964年に発足した歩け歩けの会が前身団体ですが、その前年に早稲田大学の精神高揚会の有志メンバーがアメリカ大陸6000kmの徒歩横断に参加して、これが歩け歩け会の発足のきっかけとなっています。
この伝統から、ウォーキング大会では30km、50kmといったコースを2日も3日も繰り返して歩き、それを記録することが今でも続けられています。ウォーキング大会で歩いた距離が公式記録で、それを積み重ねて地球1周に相当する4万kmを踏破することを目標にした表彰制度が設けられています。これを励みに全国の大会を渡り歩くメンバーも多くいて、日々のトレーニングが全国で行われていることが健康づくりの推進にもつながっていました。
その歩く機会が大きく減った中で、以前のような健康づくりを回復させるためには、「元の生活を取り戻す」という掛け声では足りないところまでコロナ禍で追い込まれてしまっています。