ウォーキングのイベントに参加する人が求めていることは、環境問題への意識や仲間づくりといったこともありますが、なんといっても健康づくりです。歩けば健康になるといった単純なことではなくて、現状の打破を目指して血圧、血糖値、中性脂肪値、LDLコレステロール値などが高くて、医師などから歩くことをすすめられて参加している人も少なくありません。
一般社団法人日本ウオーキング協会では、指導者の資格認定をしていて、健康ウオーキング指導士なる資格があります。日本メディカルダイエット支援機構の理事長が、公益財団法人日本健康スポーツ連盟の理事であったときに資格認定に関わったことがあり、そのときに参加者の声が、どこまで反映されているのか講習テキストを見たところ、ウォーキング大会を開催する立場での指導者養成であって、検査数値に合わせた健康になるための歩き方の講習ではないことがわかりました。
講習テキストには生活習慣病への対策も書かれていたものの、それは高血圧や糖尿病の人が参加したときの安全性のための大会主催者としての対応であって、それぞれの人が安全に、しかも効果が得られる歩き方の指導については、まったく触れられていませんでした。これは必要な情報だということから、日本健康スポーツ連盟の理事長に相談して、健康づくりのウォーキングについて検討しました。その結果が、当支援機構のインターバルウォーキングの内容に活かされています。
コロナ禍で健康づくりのために歩きたくても歩けない状況になった災いを払拭するためには、これまでの長く歩くことから、より効果的な歩き方を身につけて、短時間のウォーキングの繰り返しであっても結果が得られる歩き方を普及していくことが重要と考えています。生活習慣病対策として血圧、血糖値、中性脂肪値、LDLコレステロール値を下げるのに適した個別の歩き方に加えて、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)対策、認知症予防といった研究によって明らかになってきた歩く効果も広めていく必要があります。
それに加えて運動と食事、運動と休養の組み合わせによるメディカルダイエットの手法も広めていくことにしています。これまでの固定観念のウォーキングイベントから、意識を変えた日常的なウォーキングの推進を進めていくべきで、地域の健康づくりに取り組む責務がある自治体の意識も変えていくチャンスがコロナ禍で訪れたという認識もあって、「災い転じて福は内」というメッセージを掲げているのです。