「パチンコで食っている」と言われた時期があった

食べるために、他人の名前の書籍を書いていたゴーストライターで、今では誇るどころか恥ずかしい感じもする184冊の執筆で忙しかったときのこと、業界関係者に「小林はパチンコで食っている」と言われたことがありました。この言葉を、そのまま信じるとパチプロ生活のように思われるような言葉ですが、実際にはパチンコ台を前にして稼いでいたのではなくて、パチンコ店に行くことなしに、自宅で稼いでいました。もっと詳しく言うと、パチンコの攻略会社の協力を得て、攻略法の一部を雑誌に掲載していました。
最終的には、今も続いている有名パチンコ攻略誌の創刊号から1年ほどは、ほとんどの情報を提供していました。パチンコ攻略の話が来たのは、その当時に大手出版社のゴーストライターをしていた関係で、その会社の有名週刊誌に連載ページを持っていたことと、大手新聞社の系列のスポーツ紙にも不定期ですがページを持っていたからです。
パチンコの攻略会社というと、パチンコ台を販売する会社とは敵対関係にあるものの、ある時期だけは友好関係になります。それは新台が販売される年4回のタイミングで、そのときには攻略法が広まって、打ち止めが続いているとパチンコ店は新台の導入を積極的に行います。そこで攻略会社に、本来なら秘密のはずの情報が流れてきて、これを雑誌や新聞に提供すると、メーカーは利益をあげられるという関係性がありました。
その情報をもらって、自分のページに書くだけで、それなりの利益があげられました。秘密の攻略法だけでは、その出どころを疑われることにもなりかねないので、釘と玉の跳ね方の関係性という物理学的な情報も出していました。
当時は、大当たりをさせる攻略法が存在していたのですが、だんだんと確率方式に移行している時期で、特別なテクニックというよりも、いかに玉を入れて、多く回転させるかが重要になっていました。そのため、例えば釘が左に傾いていると、左から跳んできた玉が弾かれて、さらに左に跳んでいくので、そこに当たりの穴があれば入りやすくなります。釘が上向きなら、釘に絡んで、その釘の下の穴に入りやすくなります。釘が下向きなら強く弾かれて、横の穴に跳びやすくなります。こういった原則を組み合わせると大当たりの穴への玉のルートを見ることができるようになります。
そのころには大当たりの確率が大きく変化したので、その知識もパチンコで稼ぐ(?)ために大いに役立ちました。この話については次の機会に。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)