食物繊維は不溶性食物繊維と水溶性食物繊維があって、不溶性食物繊維は植物の葉や根、穀類や豆類の殻に含まれ、水溶性食物繊維は以前は「コンニャク、海藻、キノコ、果物」に含まれると言われていました。以前は、と断っているのは今では違っているということです。最近の書籍を見ても、以前のままというものも少なからずあるのですが、新たな常識ではコンニャクは水溶性食物繊維が多く含まれる食品とはされていません。
コンニャクはこんにゃく芋の粉を凝固剤を使って固めたもので、固まったコンニャクは、歯で噛まれた後は、そのまま形状が変わらずに胃、腸を通過していきます。そのことは初めは理屈で言われていただけでしたが、実際に確認する実験が行われました。実験に使われたものはカプセル内視鏡です。これはカプセル状の内視鏡で、これを飲み込むと通過している部分を撮影して、撮影は排泄されるまで続きます。カプセルの中にデータが蓄積されるわけではなくて、電波で飛ばしたデータを受信装置で取り込んで確認します。
これを使って、コンニャクの状態を追いかけた結果、想像どおりに変化せずに通過していくことが確認されて、そのときからコンニャクは水溶性食物繊維でないことが確定されました。水溶性食物繊維は水を吸って膨らみ、余分なもの(脂肪、不純物など)を吸着して吸収されないようになります。
では、コンニャクは不溶性食物繊維に変わったのかというと、教科書的には、そうは書かれていません。いったいコンニャクは、どこに行ってしまったのかということですが、こっそりと削られてしまったところがあります。ちなみに、コンニャクダイエットに使われているのは粉の状態のもので、これは水溶性食物繊維です。
古い情報のままで話をすると、間違いを伝えることになるということが言いたくて、すでに知られていることではあるとは思いつつも、書かせてもらいました。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)