新型コロナウイルス感染症が終息とはいかなくても、収束に向かっていることが明らかになって、新たなことを始めるときには、2回に渡って書いてきた「オンをオフで返す」を例にあげて進めていきたいと考えています。その一つは、新たな変異種の拡大や新たな感染症が発生したときに、オン(ON)をオフ(OFF)で返す方法の検討です。もう一つは、感染症の拡大によって低下してしまった健康度を高めるための方法の検討で、この場合には「オンをオフで返す」ということがないことを願って、あえて使っています。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、感染症そのものをなかったことにするわけにはいかず、国民の健康と経済のバランスを取ることをタイミングよく繰り出すことでした。新型コロナウイルス感染症については今さら語っても仕方がないのかもしれませんが、感染確認者数が下がってきたときに、すぐに経済のことに頭を切り替えるのではなくて、下がりきるところまで我慢をして、それから緊急事態宣言の解除をすればよかったという意見が専門家からも相次いでいます。そうしておけば、4回目の緊急事態宣言をすることもなく、大きく感染確認者が増えた状態でオリンピックを開催するようなことはなかったし、少なくとも無観客で開催するようなことはなかったはずです。
オリンピックの映像は、これから何度も繰り返し使われます。そのたびに観客がいない中での競技シーンが放送され、そのたびに緊急事態宣言の発令と解除の繰り返しを思い出すことになります。これが過去の反省を思い起こす機会ということだと、ずっと日本人は反省をし続けなければならないことにもなります。
もう一つの健康度の低下についてですが、過去のオリンピックは健康に対する意識が高まり、いろいろな活動が国民から起こり、国の健康づくりに関する施策も進むきっかけとなってきました。ところが、コロナ禍の中にあって、運動ができない、自宅にいる時間が長くなったための食べ過ぎと飲み過ぎ、健康診断には行かない、病院に行く回数が減った、そして健康について学ぶ機会がないということから、健康寿命の延伸が止まる可能性まで言われるようになっています。
こういう時代だからこそ、感染症対策のオンに続いて、低下した健康度を高めるためのスイッチオンも早めに始めてほしいのです。