ビタミンもミネラルもハーブも、今ではサプリメント・健康食品の素材として認識されていますが、どれも医薬品にしか使用できない時期がありました。ビタミンを食品に使うことが許可されたのは1997年のことです。1998年にハーブが、1999年にミネラル(12種類)が食品として販売許可されました。これによって、食事で栄養素が充分に摂取できない場合に、自分で購入して摂取し、補うことができるようになりました。
医薬品から食品として使用できるようになったといっても、サプリメント・健康食品は、あくまで食品に分類されて、医薬品的な有効性については規制されています。今では1993年に始まった特定保健用食品制度による表示許可、2016年に始まった機能性表示食品制度による表示許可によって基本的な効果を述べることができるようになりましたが、それまではビタミンとミネラルだけが表示許可されているだけでした。
その裏付けとなっているのは2001年に発足した厚生省労働省による保健機能食品制度で、特定保健用食品の他に栄養機能食品が加えられて、一定範囲ではあるものの有効性が述べられるようになりました。栄養機能食品の種類と許可されている表示については「サプリ概論2」で紹介しています。栄養機能食品は、定められた種類の成分が含まれていればよいというだけでなく、一定の基準量を越えた量が含有されていることが表示の許可条件となっています。
この栄養機能食品の登場から、栄養機能表示が許可された成分を加えて、栄養機能食品であるから効果があるといったイメージで、他の成分を強調するように広告表示する健康食品が現れるようになりました。このことをきっかけとして、健康食品の広告規制がさらに強化されました。規制緩和をするときには、その一方で規制強化が行われるという一例として、よく栄養機能食品があげられています。