ビタミンは小腸から吸収されたのち、肝臓から血管を通って各組織に運ばれ、エネルギー源の代謝を補助する働きをします。水溶性ビタミンのビタミンB群とビタミンCは、酵素の働きを補う補酵素して働き、糖質、脂質、たんぱく質の代謝を促進します。
糖質がブドウ糖に分解されるときにはビタミンは関与していませんが、ブドウ糖がアセチルCoAに変換されるときにはビタミンB₁、ナイアシン、ビオチン、パントテン酸が必要となります。
脂質が脂肪酸に分解されるときにはビオチンが働き、逆に脂肪酸が脂質に合成されるときにはナイアシンが働きます。また、脂肪酸がアセチルCoAに変換されるときにはビタミンB₂、ナイアシン、パントテン酸が必要になります。
たんぱく質がアミノ酸に分解されるときにはナイアシンが、逆にアミノ酸がたんぱく質に合成されるときにはビタミンB₆、ビタミンB₁₂、葉酸が必要になります。また、アミノ酸がアセチルCoAに変換されるときにはビタミンB₆が必要になります。
そして、アセチルCoAからエネルギー産生が行われるときにはビタミンB₁、ナイアシン、葉酸、ビタミンB₁₂が必要になります。このようにビタミンB群が組み合わされて、代謝が行われているわけです。
エネルギー産生が行われるときには、細胞に取り込まれた酸素のうち2〜3%は活性酸素に変化します。エネルギー代謝が進むほど活性酸素が多く発生するようになります。活性酸素はプラスとマイナスの電子のバランスが崩れたものです。通常の酸素はプラス電子とマイナス電子が4対ずつ存在してバランスが取れていますが、このうちマイナス電子が1つかけると活性酸素となります。そして、欠けているマイナス電子を他のものから奪うことによって通常の酸素に戻ります。マイナス電子を奪われた細胞は破壊されますが、それが病原菌などの細胞の場合には免疫として働き、人間の細胞の場合には破壊された数が多くなると健康被害が起こることになります。
活性酸素に電子を与えれば活性酸素を消去することができるわけですが、その働きをするのが抗酸化ビタミンと呼ばれるビタミンA、ビタミンC、ビタミンEです。