ポストコロナ「捨てる紙あれば拾う紙あり」2

新型コロナウイルスによって死亡者が増えた国の多くは、その分だけ年間の死亡者数が増えています。アメリカでは20.2%も年間死亡数が増えました。CDC(アメリカ疾病対策センター)によると、アメリカの平均寿命は2019年の78.8歳から2020年には77.3歳への1.5歳も短くなり、第二次世界大戦以来の最大限の落ち込みになってしまいました。計算をすると(今のところでは)61万人となっているので、ちょうどプラスになった分がコロナ死亡となっています。この傾向はイギリスでも同じです。他のG7加盟国(カナダ、フランス、ドイツ、イタリア)では増加数は両国ほどではないものの、年間死亡数が増えています。
コロナ禍の中にあって、感染症対策をすることで、他の感染症が防止されることがあるので、実際の死亡数に比べたら増加数が少ないというのは普通のことですが、日本を除いた7か国には大きな成果は現れていません。ところが、日本だけはマイナス1.4%となっていて、新型コロナウイルスによって、かえって死亡者が減った国となっています。
この事実から、「感染者が増え続け、重症者、死亡者が増えても、国民全体を考えると悪い結果ではない」と発言している専門家(医師)がいましたが、これは短期間(世界的に感染拡大してから1年)の結果であって、長い期間を考えると、日本は必ずしも安心していられるような状況ではありません。というのは、日本は世界1位の高齢国(2020年)で、日本(28.40%)、イタリア(23.30%)、ドイツ(21.69%)、フランス(20.75%)、イギリス(18.65%)、カナダ(18.10%)、アメリカ(16.63%)となっています。
高齢化率が非常に高い日本であるだけに、コロナ禍で外出ができない、運動ができない、食べ過ぎ・飲み過ぎ、健診・検診の減少、通院の減少、健康について学ぶ機会の減少、それにストレスもあり、さらにマスク着用での酸素不足なども加わって、健康にとって不利な状況が長引けば長引くほど生活習慣病(中でも高血圧、糖尿病、脂質異常症)のリスクが高まり、すぐには死亡に結びつかなくても年数を重ねるほど死亡率が高まってくるのは当然のことです。
それだけに、自宅で過ごす時間が長く、紙の情報を読む時間が長い今こそ、高齢者にわかりやすく、実践しやすい情報を伝えるべきです。これまで高齢者に届けても、捨てられていたような紙の情報ではなくて、捨てられない内容の紙の情報を作成して、早めに発信するべきだと強く認識しています。