発達障害の改善のための支援には、さまざまな方法がありますが、運動による身体機能と認知機能を合わせて発達させる感覚統合療法が発達障害児の改善に成果をあげています。
発達障害は、脳の発達に偏りがあるために発する脳機能障害で、その改善のためには、生きる脳の脳幹を運動によって活性化させることによって、感じる脳の大脳辺縁系、考える脳の大脳皮質の順番に改善していくことが有効になります。感覚統合療法として、なじみやすい遊びを取り入れた機能訓練の運動療法を学力の向上につなげていくには学業技能を身につけるためのトレーニングが必要となります。
発達障害は自閉症スペクトラム障害、注意欠陥・多動性障害、学習障害に大きく分けられます。どれも知的発達に遅れはないものの、発達の偏りから学習面で障害が起こりやすくなっています。学習障害と判断された子どもだけに学習面の障害があるだけではなくて、自閉症スペクトラム障害、注意欠陥・多動性障害ともにコミュニケーション力や集中力などが欠けていることから学習面の困難さは現れますが、学習障害は外からは見えにくく、そのための改善の指導が遅れがちです。
学習障害は、識字障害、書字障害、算数障害に大きく分類されていますが、単に読めない、書けない、計算ができない、もしくは、これらのことを理解して実施するまでに時間が長くかかるというだけではありません。
脳機能の障害によって、識字障害では文字が曲がって見える、歪んで見える、かすんで見える、にじんで見える、二重に見える、左右が逆転して見えるという困難さも起こります。また、白い紙が光って見えるために眩しく感じて文字が読めない、一定の色が強く感じて他の色の文字がよく見えない、眼球の動きが限られているために広い範囲の文字が読めないといったことがあります。
書字障害は、識字障害があるために文字が理解できずに、これが書字障害を強く生じさせることが起こります。また書字障害では、指先がうまく使えないために筆記用具が上手に動かせない、力加減の調整ができない、まっすぐに線が引けない、円や斜め線が描けない、文字を最後まで書く前に次の文字を書き始めるといったこともあります。
算数障害は数字や図形の概念が理解できないことが多いものの、ある程度の訓練で通常の計算などはできるようになっていきます。しかし、識字障害、書字障害があるために文章問題が理解できず、正しく書けないために、正解までたどり着けない例が多くなっています。