ポストコロナ「石橋を叩いて渡す」1

「石橋を叩いて渡る」は慎重にも慎重を期して進むことを示した諺(ことわざ)で、これをもじって前に「石橋を叩いて渡らず」という言葉で、日本のデフレスパイラルについて、コロナ後を考えてみました。慎重になりすぎて「石橋を叩いて壊す」ということや、怖いもの知らずで「石橋を叩かずに渡る」ということまで、変化させて使いやすい諺ではあります。
東京にいたときには、「石橋を叩いて渡す」ということをしてきました。厚生労働省関係の団体の新規団体の設立、新規事業事業の創設に参加しては手放すということを繰り返してきました。厚生労働省や所管団体の依頼を受けて、全国規模の団体を設立したときには団体の事務局に入るのではなくて、広報の仕事をもらっていました。団体の活動が軌道に乗ってきて、組織替えがあり、広報担当理事が変わると、使いやすいところに出すことから仕事がなくなり、紹介してくれた役所なり団体に挨拶にいって、そこで新たな仕事を紹介してもらうということの繰り返しでした。
組織の中に入らないことで、私の手を離れてからも順調に進むように組織と活動を慎重に構築して、そして次の人に安心して渡せるように心がけてきたのが「石橋を叩いて渡す」ということでした。団体が資格認定制度を立ち上げるときにも継続できる体制と講習内容にして、やり方を示してから渡してきました。それもあって、立ち上げた団体も資格認定も今も続いています。
東京から岡山に移住してからは、団体設立というと地元密着型だけになりましたが、東京人脈からの紹介で、団体設立や新規事業の話はありました。遠く離れていても、これまでの人脈などを活かして定款作成、規則作成、必要書類の作成、活動企画、資格認定制度構築なども行いましたが、リモート会議が盛んになったとはいっても対面しての打ち合わせでないと進まないことがあって、時間をかけた割には満足いかない、このままでは「石橋を叩いても渡せない」という状況にもなっています。
この人なら大丈夫と思って引き受けたものの、4年も離れていて、その間にコロナ禍の1年半が重なっていると、その方の基盤を支えてきた仕事がうまくいかなくなり、人が変わってしまっていて、このことが思ったように進まないことにもつながっています。