学習障害152 学業技能を学ぶ専門塾の必要性

これまでの発達支援は、発達障害児支援施設による機能訓練と、放課後等デイサービスや学習塾による学習障害の改善支援が取り組まれてきましたが、その間に位置する学業技能を向上させるトレーニングの場は存在していませんでした。この学業技能のトレーニングに特化した事業をする専門塾の開設によって、子どもたちの学力向上に寄与することが求められています。
この専門塾は、学習障害の改善支援に取り組む多くの学習塾、放課後等デイサービスとの連携が必要であり、学業技能を身につけることによって、学力の向上に結びつけることができることから、全国の学習塾、放課後等デイサービスから期待される存在となり得ます。この学業技能の習得の場は、専門塾によって独占されるようなものではなくて、既存の学習塾、放課後等デイサービスでも知識を習得して、それぞれの教室でも実施されることによって子どもたちの学力向上の底上げに役立つものにしていく必要があります。
学業技能のトレーニングは、学習障害に悩み、苦しんでいる子どもたちに負担をかけるものであってはいけません。子どもが自ら楽しみながら、自然と身につけていくことができるプログラムが必要であり、アセスメントフローに従って改善の成果が得られるまで繰り返して指導を実施することも重要となります。
アセスメントフローは、カウンセリング(発達特性、感覚特性、身体機能、行為機能)から始まり、行動観察(できること:強み、できないこと:弱みを観察)、アセスメント(ツールを活用した評価)、学習方針の決定、学習指導へと進めていきます。その後に、次の行動観察に活かすという一連の流れで指導を進めていく形です。
〔アセスメント(評価)ツール〕
 *身体機能面のアセスメント
 *認知機能面のアセスメント
 *読み書きに対するアセスメント
 *メンタルヘルス
子どもの改善に取り組むと同時に、保護者に向けては、プログラムの意義と目に見える改善点をわかりやすく伝えるための面談も必要になり、全体像を把握して家庭内で継続できるようにする機会としての講習会も必要だと考えています。