サプリ概論27 機能性成分でも有害になることがある

サプリメントを批判、否定する人は、よくサプリメントの中に医薬品成分が含まれていることや、有害成分が含まれた部位が使われたサプリメントを例としてあげています。医薬品成分が含まれているものとしてはダイエットや強壮・強精を目的としたものが多く、医薬品成分を加えれば、その効能効果が得られることから、サプリメントとしてみた場合には有効性も高まることになります。ダイエットなど以外のものであっても、医薬品成分が含まれたものは過去に何度も発見された例があります。
サプリメントの健康被害については、厚生労働省や都道府県の担当部署から報告が行われ、国立健康・栄養研究所の情報サイト『健康食品の安全性・有効性情報』の中にデータが整理されて掲載されています。サプリメントに広く関わる専門家(アドバイザリースタッフ)や医師、薬剤師、栄養士などのほか、この過去情報を知っている人ならサプリメントの危険性の例を参考に確認できるでしょうが、そうでない人はサプリメントの専門業界では有名な過去の危険例と同じ被害を受けている人も少なくありません。
このように危険な成分が含まれたサプリメントだけでなく、サプリメントは食品であるので食品添加物が使われたものもあれば、サプリメント素材を粒状・液状にするための賦形剤や液体の安全性が問題となるものもあります。例えば、サプリメント1粒の量から、その中に含まれるサプリメント素材の量を差し引いた残りが賦形剤の量となり、計算をしてみればかなりの量が使われたものもあることがわかります。
サプリメントは食品であり、医薬品とは異なるので、どれだけの量を摂ってもよいとされた時代もありました。しかし、厚生労働省の『日本人の食事摂取基準』によってビタミンやミネラルなどの摂りすぎによる健康被害と上限量が示されるようになってから、サプリメントについても「好きなように摂ってよい」という考えは否定されることになりました。今では、摂りすぎの害という考え方から、サプリメントは標準摂取量(推奨量)の範囲で使われることがよいとされ、一般には食事摂取基準の2倍までが目安とされています。