ポストコロナ「身から出たサービス」3

健康に関する講習を、「身から出たサービス」と言われようともサービスを続けなければならないと意識して行動しているのは、新型コロナウイルスの感染拡大によって、地域住民の健康状態が大きく低下していることへの危機感があるからです。
外出自粛で運動ができない、健康について学ぶ機会もない、食べ過ぎ・飲み過ぎ、健診・検診の機会が減り、医療機関への通院も減った、そもそも三密回避は大きなストレスで、マスク着用で体内に取り込む酸素量も減っています。この状態が続いたら、せっかく長い期間をかけて延ばしてきた平均寿命も健康寿命も低下しかねなせん。その結果が目に見えてわかるのは、まだ先のことになるかもしれませんが、それを見越して今から健康づくりにつながる交流、講習を始めて、地域で大きく健康度を高めるための行動を起こすことが必要だと強く意識しています。
健康づくりは、知識と行動の、どちらが先かということが議論されることがあります。学ぶ機会を提供しても、本人の意識が高くないと身を入れて聞いてもらえない、その前に講習の場に来てもらえないということがあります。だから、先に行動のほうを実施して、身体を動かすことによって楽しくなる、気分がよくなる、調子がよくなる、もっと参加したいと思ってもらうことが重要という考えもあります。しかし、身体を動かすことで満足してしまっては、そのことの意味がわからず、結局は長続きしないということもあります。
そこで、プログラムには知識と行動(運動など)の両方を入れてあります。この知識は運動に関するものだけではなくて、運動と食事のタイミング、運動と休養(入浴)のタイミングによって健康度の成果が変わってくることから、これに関する知識を提供する機会も設けています。
こういったことを継続的に実施していくために、わざわざ講習を資格認定方式で実施するようにしています。その理由ですが、受講者(会員)に対してサービスを提供し続けられるから、ということが一つにはあります。もう一つは、立場をもって活動を地域で続けてもらいたいという気持ちがあります。そのために資格をもって先生と呼ばれるように活動してほしいということ、地域ごとに小さな組織を作って会長、副会長などの役職で自信をもって活動してほしいということがあります。年齢を重ねると過去に先生や会長であった人が「○○ちゃんのおじいちゃん」と呼ばれるだけになって、これまでの実績が活かせないということを数多く目にしてきているだけに、地域での健康づくりの中核になってほしいという気持ちから、わざわざ「身から出たサービス」を続けようとしているのです。