鉛筆(シャープペンシル)を正しくつまむことができたら、次は自由に動かすための指づかいをすることができるかを再確認します。鉛筆で書く線の種類によって、主に使う指が違っています。大きく文字を書くときには指全体を動かすことになり、小さなマス目の中に文字を書くときには手首の位置を変えずに、指の動きで鉛筆を動かします。
横に線を描くときには親指を横に押します。縦に線を描くときには人差し指を下方向に押します。丸まった線を描くときや細かな動きによって描くときには、鉛筆が触れている中指の側面の第一関節近くを上げたり、中指の曲がりを調整することでスムーズに動かすことができます。この動きのときに、薬指と小指は固定されているのではなくて、鉛筆をつまんでいる3本の指の動きに合わせて、微妙に変化させることによって、指のバランスをとっています。
このような指の動きをするのは、指の関節は可動域に制限があるからです。その制限の中で鉛筆を自在に動かすことによって、脳が認識した文字を、そのまま書くことになるようになります。
指の動きは、書く文字によって力加減の増減があり、主に動かす指も親指から人差し指に、人差し指から親指にと移っていきます。3本の指の動きが細かく変化していくことで、書きたい文字が書けるように、書きたい文字に近づいていけるようになります。主に動かす指の動きが他の指へと移っていくことがわかり、その切り替えが、文字のどの部分で起こっているのかがわかるようにすることが必要です。漫然と指を動かし、ペン先を動かすのではなくて、文字の形と、その途中の形の変化、指づかいの変化を順序立って教えていくことが必要になります。
文字は形をなぞっていけばよいわけではなくて、鉛筆のペン先の紙への当たり方の強弱、ペン先によって描かれる線の濃淡も必要になります。そのための指の動きと力の入れ方を文字を書きながら感覚的に身につけていくようにします。