人間は多くの種類の食品を食べなければ生きていくことができません。これだけ食べていればよいという食品があればよいのでしょうが、雑食の人間には、パンダの笹、コアラのユーカリのような便利な食品はありません。それなら最も栄養素が多く含まれていて、さらに含有量も多い食品を知りたいという声が出たときに、わざと話すのは抹茶です。ビタミンもミネラルも豊富で、食物繊維も多いので、三大エネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)が充分に補われていれば抹茶を飲んでいればよいという話をしています。
ただし、問題は分量で、食品成分表を見ても確かに栄養素の量は多いものの、食品成分表の数値は100gの分量で比較されています。抹茶は1回分の分量は1.5gが標準なので、60回分以上、毎日1杯を飲むとしたら2か月分を1日で飲むという量になります。
そんなにも飲めないという人に、次に話をするのは海苔(のり)です。海苔もビタミン、ミネラルが豊富ですが、1回に使う量はわずかです。海苔の単位は1帖が10枚で、1枚は21cm×10cmのサイズです。この大きさで3gほどです。100gだと30枚以上で、3帖は必要になります。1帖は安いもので600円、平均は1000円、高級品だと5000円を超えます。
松阪牛は100gが3000円は当たり前の高級食材ですが、平均的な海苔の100gと比べても遜色のない価格になります。そんなにも高いものを、いくら栄養豊富といっても毎日100gも食べていたら破産しかねません。
では、何を食べればよいかというと、エメルギー代謝に必要な水溶性ビタミンのビタミンB₁、ビタミンB₂、ビタミンB₆、ビタミンB₁₂、ナイアシン、葉酸、ビオチン、パントテン酸が、すべて含まれている食品があります。それは食べにくい食品の代表ともされるレバーです。レバーは栄養豊富で、健康によいからと毎日100gを食べるようにすすめていた医師がいましたが、人間は栄養だけで食べているわけではありません。毎日、レバーが食卓に並んでいたら、どんな思いをするのか考えればわかることですが、医師の中には理論だけで話す人が少なからずいます。
通常の食事だけでは不足する栄養素をサプリメントで補うというのも味気ない食事になってしまいます。そこで食べられない食品がある、もっとビタミン、ミネラルが必要だという人にすすめているのはカロリーメイトと赤ちゃん用の粉ミルク(生後6か月までが対象のもの)です。カロリーメイトは、もともとは病人の濃厚流動食からのアレンジ商品で、最も栄養バランスが取れています。粉ミルクのほうは、無農薬・無添加で、食物繊維を除いたら必要な栄養素がすべて含まれています。どちらも、よく知っている研究者が開発をした結果、現在の内容になっています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)