サプリ概論39 中性脂肪値に作用する素材1

食品に含まれる中性脂肪は脂肪酸3個が結びついていますが、膵臓から分泌される脂肪分解酵素のリパーゼによって脂肪酸に分解されます。脂肪酸は、そのままでは吸収されないために、十二指腸から分泌される胆汁酸によって包まれた胆汁酸ミセルとなって小腸に運ばれます。胆汁酸ミセルから脂肪が放出されたあとに吸収されますが、胆汁酸ミセルを安定化させて、脂肪の放出を抑えることによって脂肪分解を抑制する作用のある素材は難消化性デキストリンです。
難消化性デキストリンは加熱処理したトウモロコシ、ジャガイモのデンプンを酵素処理した難消化性の高分子の特定保健用食品の成分です。脂肪を胆汁酸が包んだ胆汁酸ミセルを安定させて脂肪が放出されるのを抑える作用だけでなく、ブドウ糖の吸収を緩やかにして血糖値の上昇を抑える作用があります。そのため、中性脂肪値と血糖値の両方に作用する素材となっています。さらに、腸内細菌の善玉菌を増やす作用、LDLコレステロール値低下などの働きがあります。
難消化性デキストリンは胃から腸の中に脂肪がある間に摂ることで、脂肪の分解を抑制することができます。脂肪は胃の中で完全に消化されるまでは6時間ほどかかり、脂肪分解抑制成分が効果を発揮するのは30~60分間であるので、食後だけでなく6時間までの間で早めに摂ることで効果を高められます。それを越えると、消化されてから難消化性デキストリンを摂ることになることから、効果が得られなくなります。