「能ある鷹は爪を隠す」というのは、有能な鷹(たか)は獲物に気づかれないように、普段は鋭い爪を隠しておくことを指していて、いざというときにだけ真価を発揮することを指す諺(ことわざ)です。実際には鋭い爪がないのに隠しているように見せている人もいたり、今は本気を出して戦うときではないといって行動を起こさない人もいて、そんな人が“大器晩成”と自称すると、本当にそうだろうかとの疑問も湧いてきます。
コロナ禍で追い込まれて、起死回生の行動を起こさなければいけないときに、政治が悪い、元のように行動しない消費者がおかしい、と愚痴のようなことばかりでは、ポストコロナの時代になっても生き残れなくなってしまうのではないかと思ってしまいます。そんな“小さな親切”の思いは“大きなお世話”とばかりに依然として前と同じことを繰り返している人も少なくありません。
すでにポストコロナに向けて準備を進めているという人には、何度も巡り会いました。新規のアイデアで、新規顧客を開拓して、長く続けられる仕組みで戦っていこうということを皆さん口にしているのですが、コロナ以外は元の状況が続くことを前提としているように思えて仕方がありません。コロナ禍の対応にばかり目を向けているうちに、大きな変革が進んでいたら、前と同じ前提での戦略は通じなくなってしまいます。
もしもコロナ対策の不手際から政権が変わるようなことがあったとしても、法律が変わらない限りは“誰がやっても同じ”というような状況で、大転換が起こるわけではありません。急にインターネットの仕組みか変わったり、SNSが全部使えなくなるようなことはないとは思いますが、これまでと価値観が変わったら、同じ仕組みで同じように稼げなくなってしまいます。大転換があるかもしれないという危機感を持って、しっかりと進めたことを、さらに抜けているところがないかを確認するだけ確認して、最後の詰めを欠かさないように準備をすることが今回のテーマの「能ある鷹は詰めを欠かさず」です。