ポストコロナ「笑う門には福は内」1

ポストコロナの時代を考えるシリーズの初めのテーマは「災い転じて福は内」でした。コロナ禍によって健康状態が国民的に大きく低下してしまっただけに、一気に取り戻し、以前よりも高いレベルまで健康度を高めないといけないという考えで、健康づくり対策の方向性を伝えました。
今回は同じ“福は内”でも、「笑う門(かど)には福は内」というテーマを掲げています。この言葉は、「笑う門には福来る(きたる)」という諺(ことわざ)をもじったものです。いつもにこやかに笑いが絶えない家には、自然に幸福がやって来るということで、同じ仕事をするにしても苦しい顔、つらそうな顔をしているよりも楽しそうに仕事をすると成功しやすいということを指し示しています。
本来なら笑っている場合ではないことが続いている、しかも出口が見えないという状況では、「もはや笑うしかないという“(笑)”のようなことがコロナ禍の現状です。大都市部は医療が充実していると思われていました。それを期待して地方から都市部に人口が移動しているということが続いてきました。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大で感染しても入院できない、他の病気であっても入院できない状態です。
これはベッド数の問題ではないことは、以前に国のリーダーが他国に比べてベッド数が多いことを誇っていたことを思い出すまでもありません。ベッド数が不足しているわけではないのに、入院できないのは人員の問題で医師、看護師、技師の数が不足しているからです。中でも深刻なのは看護師で、危険な現場で働くことを心配した地方の家族が帰ってくるように強く誘う、コロナ感染を担う大病院から小さな病院やクリニックに移る看護師も目立って増えています。
大都市部の大病院では若い女性看護師多く働いています。これは看護師を養成する学校が大都市部に多く、卒業してから大都市部で働くことが多いからです。そのまま定着してくれればよいのですが、大病院で学んで地方(出身地など)の病院に移るというのが通例です。そのために、大都市部の大病院では女性看護師に必要な経験と質が確保されていないということがあり、新型コロナウイルス感染だけでなく、同様の新たな感染症が発生したときには大都市部の大病院で安心して治療を受けられるかどうかはわからないという状況なのです。