ポストコロナ「笑う門には福は内」3

新型コロナウイルス感染症の感染確認者が全国で1日に2万人を超えたことは、医療関係者だけでなく、国民の意識にも強い影響を与えました。その日のぶら下がり会見で日本のリーダーは、人流の抑制とワクチン接種以外に方策はないのかと記者から強い口調で問われて、「抗体カクテル療法がある」と語気を強くして答えていました。人流の抑制を訴えても住民の移動は減らず、ワクチンの流通も遅れていて、感染確認者が急増しているので、他の方法はないのかという疑問は当然予測されたことで、画期的な方法を打ち出す必要を感じたのでしょう。
抗体カクテル療法は有効な手段であり、早く使用することが求められていたものの、開始が遅れたのには理由があります。それは抗体カクテル療法は新型コロナウイルス感染症の軽度から中等度に使用するもので、中等度でも前期の状態で使われるものです。アメリカの報告でも、酸素療法が必要な重度の人や重症リスクが高い基礎疾患がある人には使われたことがなく、病院で行われるものです。
少なくとも“自宅療養”や医師が常駐していない宿泊施設療養では使うことができません。
ただでも病院に入院できない状況になっていて、今現在で自宅療養者が当時は8万人を超えている中で(現在では12万人超)、どうやって抗体カクテル療法を実施するつもりなのか、そのことを突っ込む記者がいることを期待していたのですが、それはスルーされていました。
スルーといえば、ブレイクスルー感染も大きな不安となっています。これはワクチンを2回接種しているのに感染したことを指しています。1%ほどの確率だと言われているものの、成人人口1億人からしたら、全員が接種した場合には100万人がブレイクスルー感染をする可能性があることで、わずか1%と言っていられる状況ではありません。
こんな状況の中で、あえて「笑う門には福は内」というテーマでコロナ後の時代を考えようとしているのは、「笑う門には福来る」と期待して待っているだけではなくて、本当に笑っていられるような状況になるように積極的に「福は内」と行動を起こしてほしいという考えがあるからです。