日本メディカルダイエット支援機構が東京を中心に活動をしていたときのこと、厚生労働省が呼びかけて医療業界で感染症の講習会があったときに、臨床栄養のジャーナリストとして参加したことがあります。まだ、SARS(重症急性呼吸症候群)、MERS(中東呼吸器症候群)の時代で、コロナウイルスが原因といっても、今のように次々と変異して感染力を高めているようなものではありませんでした。それでも業界をあげて対策をしないと、今後もしも別の新たなコロナウイルスが発生したときに対応できなくなりかねないということで、真剣に勉強を重ねてきました。
そのときの講習の中で、最も印象に残っているのがワクチンに関することで、「生活習慣病ではワクチンが使えない」ということでした。これは生活習慣病対策を実施しようとしても、患者が積極的に取り組んでくれないために成果があがりにくいことに悩んでいた医師や管理栄養士にとっては、一つの大きな切り口の提示でした。「生活習慣病(糖尿病、脂質異常症状、高血圧症など)で亡くなることはなくても、ワクチンが接種できないために感染症で亡くなってしまう。だから生活習慣病は早く改善しなければならない」という脅しのような言葉による改善の推進です。
コロナウイルスというのは、そういうものだと思っていたのですが、新型コロナウイルスの場合は、基礎疾患(大雑把にいえば生活習慣病)のある人は重症化リスクが高いので、早くワクチンを接種することがすすめられました。これまでの常識とは異なるコロナウイルスということなのか、それとも接種の方針が変わってしまったのか、どちらにしても生活習慣病は早めに改善しておくことが大切ということには変わりはありません。
新型コロナウイルスに対抗するには免疫を強化しておくことだ、というのは多くの人に伝わりました。しかし、免疫を高めるために実践してほしいと言われてきたことが、新型コロナウイルスの感染拡大によってできなくなり、そのために国民の健康度が大きく低下しています。その解決のために「笑う門には福は内」となるように、具体的な方法を次回は書き綴ることにします。