なかなか効果がないことがわかっていても同じことを繰り返していて、「これが最後だから」と効果を期待して実行しようとする人がいます。また、数値が下がってきたから安心とばかりに、充分に下がり切る前に頑張ってきたことを中止して楽なことをしようとする人がいます。これは新型コロナウイルス感染対策のことを言っているわけではなくて、ダイエットと糖尿病への取り組みのことを指して発言しています。しかし、冒頭のような言い方をすると、ダイエットや生活習慣病改善のためのセミナーであるにも関わらず、国の新型コロナウイルス感染対策のことを思い浮かべてしまう人がいるのも事実です。
なんで、このようなことを書くのかというと、個々の感染予防対策への取り組む意識が、まさにダイエットと生活習慣病の対策と共通するところがあって、これがダイエットなどを失敗させている意識の問題でもあり、また感染症対策がうまくいかない意識の問題と共通しているところがあると感じているからです。感染症対策にも“リバウンド”という言葉を使って警鐘を鳴らしていましたが、リバウンドといえば、これまではダイエットに使われる言葉として意識されてきました。
ダイエットをしたことがある人が、よく口にすることに「いつでもやせられる」という言葉があります。やせた経験があるので、それと同じ方法をやれば、やる気にさえなれば成功すると思っているからです。「そんなことを言って先延ばしにしていると、年月を重ねるほど代謝が低下していくので、前と同じ方法ではダイエットを成功させられない」というアドバイスもしているのですが、妙な自信は変わることはありません。
実際にダイエットに成功していれば、代謝が高まり、またダイエットが必要なほどに太るはずはないと思っています。だから、「いつでも……」と言う人は、少し体重が減り、体脂肪が減っただけで、本当の意味ではダイエットに成功していないのではないか、と思ったりもします。
リバウンドというと、前の状態に戻ってしまうことを一般には指していますが、本当の意味は再び太ったことで筋肉が減り、体脂肪が増えて、代謝が低下して、以前よりも太りやすい体質になったことをいいます。感染対策も途中で気を許してリバウンドしたら、前と同じ方法では通用しなくなるということも伝えたいのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)