「ナンバーワンにならなくてもいい もともとオンリーワン」というのはSMAPのヒット曲のフレーズですが、この曲が登場するずっと以前から、生き残るための当たり前の手段として“オンリーワン”を目指して活動してきました。初めのうちは日本の中でのオンリーワンを目指していたわけではなくて、身近な業界の中だけでも精一杯でした。
初めに目指したのは厨房業界の広報の仕事から給食専門誌の編集長を引き受けたときに、さまざまな専門家がいる中で、一つだけ抜けているところを見つけました。それは食器洗浄のソフトです。ハードとしては食器洗浄器、洗浄剤があり、これをマニュアルどおりに使えば的確に洗浄できるとされていたのに、食器の汚れが充分に落ちない、菌が検出される、食器に強アルカリの洗浄剤が残るということがあって、その解決には洗浄をする現場の人たちへの洗浄オペレーションの徹底が必要と感じて、海外(主にアメリカとドイツ)の食器洗浄について学びました。そして、うまくいかない原因も突き止めて、改善法を発信してきました。
次のオンリーワンは、臨床栄養の世界が、それまで敵ともしてきた健康食品のアドバイザリースタッフの養成に取り組んだときで、医学の人脈も栄養の人脈も批判はするものの健康食品の実態を知らなかったということで、健康食品業界の専門紙・記者などとの交流で得た情報を臨床栄養の世界に持ち込みました。
実際に養成が始まれば、講師となるのは医師、管理栄養士、薬剤師だということはわかっていたので、アドバイザリースタッフ制度を立ち上げるときに手助けした厚生労働省の人脈に頼って、健康食品を規制する法律や通知・通達などを学びました。それも規制する側だけでなく、規制を受けて、なんとか広告表現で逃れようとしている業界の側からも積極的に情報を入手して、抜け穴を探す業界と、その抜け穴を塞ごうとする行政の間の空白の法律講師という立場を得ました。
業界の悪い手口をほとんど見てきたことから、効能効果の一部が表示できる機能性表示食品制度が立ち上がるときに、またまた消費者庁長官が知り合いだったこともあり、訳知りの委員として参加しました。専門の委員というと大学の研究者や業界団体の役員というのが定番ですが、私が民間であっても参加できたのも、抜け穴探しの業界の実態をよく知っていて、実際に法律違反で逮捕された人たちに直接取材をしてきたからです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)