新型コロナウイルス感染症の拡大防止のためのワクチン接種は、それだけでは完全な効果が得られるわけではなくて、接種後も感染することがあります。だから、ワクチンがなかったときと同じように感染予防の対策をしなければ絶対に安全ということはありません。そんな結果が待っているなら、なんで痛い思い、苦しい思いをしてまで接種したのかと言われかねませんが、そんなことが起こるのが変異するウイルスの怖いところであり、自分はワクチン接種後に感染してしまったとしても、国民全体の感染拡大を防ぐために役立ったのだから諦めるしかないのが実情です。
ワクチン接種後にも感染するということは、ワクチンによって感染しても症状が悪化しにくいのに、ウイルスが体内に残っているので、気づかないままに他の人に感染させてしまうことにもなります。そうだとすると感染者を店内に入れないための検温も役に立たず、さらに消毒をしても、これも役に立たないことになります。初期段階の対策のままでは、簡単にスルーしてしまうのがワクチン接種後の感染者の特徴で、ワクチンを接種したからとマスクを着けなかったり、三密を気にしない行動は、それこそ危険な行為といえます。
ウイルスが変異しなければ、従来の感染対策でもよかったのかもしれませんが、変異のたびに強力になっているということで、マスクを着けても、三密を避けても、危険極まりないということになります。これまでならワクチンを接種しなかった人を避けるというのが常識だったかもしれませんが、これからはワクチンを接種した人が危険ということにもなりかねません。そんな、以前であったら非常識と思われるようなことを、これからは想定して次の対策をしておくことが、新型コロナウイルスとの“攻防”を「弘法も派手な誤り」としないために必要なことにもなってくるということです。この“派手な誤り”はワクチン接種後にリスクが高まるのと同じように、ひどい状態になってからでないと、その恐ろしさが見えてこないということが実に恐ろしいことであるということです。