ビタミンEは脂溶性ビタミンですが、体内の脂肪に溶けて保持される性質があるため、過剰症が起こる可能性があります。1日に摂取すべき量については「日本人の食事摂取基準」(2020年版)に掲載されています。
ビタミンEの女性の目安量は年齢によって異なります。
〔女性:ビタミンE目安量〕
1〜2歳:3.0mg、3〜5歳:4.0mg、6〜7歳:5.0mg、8〜9歳:5.0mg、10〜11歳:5.5mg、12〜14歳:6.0mg、15〜17歳:5.5mg、18〜29歳:5.0mg、30〜49歳:5.5mg、50〜64歳:6.0mg、65〜74歳:6.5mg、75歳以上:6.5mg。
これに対して、女性の許容上限量は以下のとおりです。
〔女性:ビタミンE許容上限量〕
1〜2歳:150mg、3〜5歳:200mg、6〜7歳:300mg、8〜9歳:350mg、10〜11歳:450mg、12〜14歳:600mg、15〜17歳:650mg、18〜29歳:650mg、30〜49歳:700mg、50〜64歳:700mg、65〜74歳:650mg、75歳以上:650mg。
ビタミンEの摂取の目安量に対して、許容上限量は相当に多く、年齢によっては100倍以上にもなっています。脂溶性ビタミンは過剰性が心配されるのに、これほどの差があるのはビタミンEには抗酸化作用があり、しかも他のビタミンA、ビタミンCに比較して酸化作用が強くなっていて、多く摂取すると活性酸素が多く消去され、体内のビタミンEが減少するからです。
女性は男性に比べて体が小さいので、体脂肪率が高くても脂溶性ビタミンの蓄積量が少なく、許容上限量が男性よりも少なくなっています。また、男性は筋肉量が多いために代謝による活性酸素の発生量が多いことも関係しています。