ポストコロナ「寝た子を怒らす」1

「寝た子を起こす」という諺(ことわざ)があります。せっかく収まった物事に余計なことをして、再び問題を起こすことを指していますが、寝た子を起こしたら、どんなことが起こるかというと機嫌を悪くして、泣き叫ばれてしまいかねません。泣き叫ばれても、そのうち泣き止むだろう、泣き疲れて眠ってしまうだというというのは、よく言われることです。そのような期待通りになってくれる子どもがいる一方で、火が点いてしまったら、爆発物の導火線に着火してしまったようなもので、どうにも手に負えなくなり、それこそ親のほうが泣きたくなるようなことにもなりかねません。
子どもであれば、問題が起こって、「寝た子を怒らす」ようなことになっても、それが社会に広がって手に負えなくなるようなことはないはずです。ところが、寝た子が実は子どもではなくて、高齢者であったら、絶対に起こして、怒らせるようなことをしてはいけません。
「寝た子を起こす」という諺には、潜んでいる欲望を煽って(あおって)刺激を与えるという意味もあるのですが、高齢者は欲望を抑えて生活をするところがあり、コロナ禍で飲みに行きたい、遊びに行きたいというのは少数派で、多くは外出するなと言われれば従い、ワクチンを接種しろと言われれば従ってきました。
その結果として、新型コロナウイルス感染が収束すればよいものの、再び感染が拡がって、第六波、第七波で、また自由が奪われることになったら、それこそ堪忍袋の緒が切れる状態になって、我慢をしてきた分だけ、ストップがきかない最上級の爆発にもなりかねません。
コロナ対策で「寝た子を怒らす」ことにならないようにするためには、しっかりと対策をするしかないのですが、コロナ禍で溜まりに溜まったストレスは、ちょっとしたことでもキレられてしまいます。高齢者を笑いのネタにすることも、「笑点」の中でなら笑って済ませられることであっても、実際に高齢者に向かって言われたら、とんでもないことになりかねないのが「18歳と81歳の違い」で、ストレスが溜まりすぎている時期には、この中で言って許されることと許されないことがあります。
その具体的な内容については、次回に続きます。