ポストコロナ「小さな親切大きなお世話」3

発達障害児を対象とした学習塾を運営する一般社団法人に関わっていますが、子どもの身体と脳の発達には栄養が重要であることは保護者の方は認識しています。発達障害児には極端な偏食がみられることが多く、食べられるものが限られている中で、脳の機能調整に必要な栄養素について聞かれるこが多く、合わせて、どうしても食べられない食品がある場合の対処法についても聞かれます。どうやって食べにくいものを食べさせるか、ということを聞いてきているわけではなくて、食べられない食品を避けながら必要な栄養素を摂る方法についての問い合わせが多くなります。
あまりにも食べられない食品が多すぎて、これはサプリメントしか解決法がないと仕方なく判断することもあります。そこまでいかない場合でも、頭の理解では栄養学は大切だとわかっていたとしても、献立内容まで踏み込むと、それに対しては「小さな親切大きなお世話」とばかりに、拒否反応を示す保護者も少なくありません。
学習に集中できるかどうかは、自律神経の働きも大きく関係していて、交感神経の働きが盛んでないと学習には集中できなくなります。その大切な学習の時間に、副交感神経の働きが盛んになってしまうという例も少なくありません。その原因の多くは、夕方以降の副交感神経の働きが盛んになるときに交感神経の働きが盛んになって興奮状態となり、そのまま睡眠するために寝ている間も交感神経によって緊張したままとなり、寝覚めてからの時間帯が副交感神経の働きが盛んになったまま、つまり半分寝ているような状態で学習するというようなことになっているからです。
自律神経が消化、吸収、循環、代謝、排泄の、口に入れてから出すまでのすべてに関わっていて、そのほとんどは副交感神経によって機能が高められています。こういったことから、食べることは発達障害児の学習障害の改善にとっては重要な役割を果たしているのですが、学習塾の時間帯は通常の夕食時間と重なってしまうために、体の調子を乱し、脳の機能のためにも栄養素が充分に使われない状態にもなりかねないのです。