生活習慣病のリスクが高まってきたときに、初めの医師から言われるのは食事の見直しです。その次に言われるのは運動量を増やすことです。生活習慣病の中でも高血圧や脂質異常症(高中性脂肪血症、高LDLコレステロール血症)は、必ずしも食事と運動だけで改善されるわけではないのですが、糖尿病は食事と運動だけで改善することは可能です。医薬品が必要な場合でも、食事と運動が前提となっています。糖尿病に限っては、医薬品だけで治すことができないということです。
そういうこともあって、生活習慣病になると、最も簡単な運動として歩くことがすすめられます。運動をしろと言われると、以前に運動やスポーツをしていた人は急に走り出すこともあるのですが、高血圧、糖尿病、脂質異常症は、どれも血管にダメージを与えるものであるので、急に血流が高まって血管の負荷をかけるようなことをすると、健康の維持には逆効果にもなりかねないのです。
歩くのは、血圧、血糖値、中性脂肪値、そして悪玉コレステロールとも呼ばれるLDLコレステロール値を下げるためにも効果があります。余分となった血液中の成分を減らすのに効果があるだけでなくて、血流によって酸素が多く運ばれるようになることから脳の機能の維持・改善にもよい結果があること、免疫を高めることも確認されています。外敵と戦う免疫細胞も細胞であるので、多くの酸素を取り入れて活動を強めているのです。
医師は歩くようにすすめても、どのような歩き方をすればよいのか、それぞれの人の状態(生活習慣病の種類と状態、身体的な特徴など)に合わせた歩き方を教えてくれるわけではありません。運動好きな医師も多いのですが、その医師に問い合わせてみても、タイプ別の歩き方についての情報を聞いたことがありません。
そこで歩くことを得意としている人が多い(であろう)ウォーキングイベントに出向いて、ただ歩くだけでなく、自分に適した歩き方を教えてほしいという気持ちもあって参加するのですが、それがかなえられる機会はほとんどありません。というのは、既存のウォーキングの団体は、そこまでの研究も指導もしていなくて、たまたま歩き方を教えてくれる人がいたとしても、それは個人的に知っている人に当たったラッキーなことでしかないのです。
だから、私たちは健康知識を持って、歩くことをリードする健康ウォーキングを始めているし、まずは健康知識を身につけることを重視した活動をしているのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)