健康ウォーキング50 歩いて腸内環境を整えるときの条件

歩くと全身の毛細血管の血流が盛んになって、皮膚の温度が上がると同時に、腸の温度も上がります。皮膚と違って腸の温度の上昇は確認しにくいのですが、歩く時間が長くなるほど腸の毛細血管に送られる血液量が増えて、腸の温度も高まっていきます。腸内細菌の善玉菌は高めの温度で増殖しやすくなっています。それに対して悪玉菌は腸内が温かくても冷えた状態でも増えやすくなっています。
腸内が冷えていたら、悪玉菌が増えるのに善玉菌は増えないということになります。腸が温まっていると善玉菌も悪玉菌も増えることになるものの、善玉菌が増えれば腸内環境は整えられていきます。だから、歩けばよい、とだけ言うのは正確ではありません。善玉菌も悪玉菌も栄養源(エサ)が必要で、いくら温度の環境が整えられていても、肝心な善玉菌の栄養源がなければ腸内環境は整えられません。
善玉菌の主な栄養源は糖質と食物繊維です。食物繊維は糖質が固く結びついたもので、胃液では分解されないのですが、大腸では善玉菌によって分解されて、善玉菌の栄養源となります。この栄養源を使って、善玉菌が活性化して、増殖もしていきます。それに対して悪玉菌の主な栄養源は動物性たんぱく質と脂肪です。その両方が悪玉菌の栄養源になり、悪玉菌を増殖させます。
腸内細菌は1000兆個もいると言われていますが、総数はほぼ決まっていて、善玉菌が増えれば悪玉菌が減り、悪玉菌が増えれば善玉菌が減るという関係になっています。そのため、善玉菌の栄養源を多く摂り、悪玉菌の栄養源を減らすことによって、善玉菌を増やしていくことができるのです。それと同時に、腸内が温かく保たれていれば、どんどんと善玉菌が増えていってくれるというわけです。