学習支援2 学習障害の特徴

学習障害は、全般的な知的発達には問題がなく、視覚、聴覚に問題がなく、さらに学習環境や本人の意欲にも問題がないにも関わらず、読む、書く、計算するなどの学習に必要な基礎的な能力に影響が出ている状態を指しています。その能力は一つだけでなく、複数の特定の能力について起こることがあり、なかなか習得できなかったり、うまく発揮することができないことによって、学業成績や日常生活に困難が生じています。
学習障害は「識字障害」「書字障害」「算数障害」の3種類に大きく分けられ、ある特定の課題の習得だけが他に比べてうまくいかない状態を指しています。しかし、複数の障害が複合的に起こることも珍しくありません。
文字が読めない識字障害があると、文字と意味が理解できないことから文字を書くときに書字障害が起こりやすくなります。また、計算する能力があっても、文章題の意味がわからなければ計算することができなくなります。このように3種類の障害は関連性があります。
読みの困難については男性が女性より数倍多いと報告されています。
発達障害は3歳以降で、その行動的な特徴から気づくこともできますが、学習障害は未就学では気づきにくく、小学校1年生でも学ぶ内容から気づかないことがあります。しかし、識字、書字、算数の各能力が求められるようになる小学校2〜4年生ころに成績不振などから明らかになります。その結果として学習に意欲を失い、自信をなくすことがあります。
学習障害の目安としては、学校での学習到達度の遅れが1〜2学年相当、あるいは1.5標準偏差以下というのが一般的です。そのため、学習障害児を対象とした学習支援では、1〜2学年下の教科書やテキストが使われることが多くなっています。しかし、学習障害は、どの分野の障害があるのか、障害が単独か複数かなどによって、他の子どもと変わりがない教科があり、中には他の子どもより優れた能力がある場合があります。それぞれの子どもの特徴に合わせて教科書、テキストを選択する必要があります。