健康ウォーキング51 正しい歩き方のためのノルディックウォーキング

腕を前後に大きく振って、歩幅を広げて、かかとから着地する、というのが正しい歩行姿勢とされています。その方法を身につける方法を指導しても、どうしても肘を曲げて、腕を上に向けて振り、膝も上げるようにして歩こうとする人がいます。そんな歩き方をするのは、グルコサミンのテレビコマーシャルの歩行シーンが頭に残っているからです。そのことを伝えて、肘を伸ばして、肩から手先までを大きな振り子として振ることをいっても、身についてしまった歩行姿勢は、なかなか直ってはくれないものです。
そんなときに指導に使っているのが、2本のポールを使うノルディックスタイルのウォーキングです。このウォーキングには前側にポールを突いて安定性を重視するディフェンシブスタイルと、後方に突いて勢いよく前進をするアグレッシブスタイルがあります。このうち正しい歩行姿勢を習得するために使うのはアグレッシブスタイルで、一般にはノルディックウォーキングと呼ばれています。
後方にポールを突いて、ポールを軸にして腕を後方に振るようにすると身体が前に送り出されます。スキーでストックを使って前進するのと同じ形です。前進したときには腕は後方に大きく動いて、反対側の腕はポールを路面に突いています。この形で歩いていると、腕は前に大きく振るのではなくて、後方に大きく振るものだということがわかります。
この歩き方を習得したら、今度はポールなしで、ポールを突くのをイメージして腕を大きく後方に振るようにします。腕が大きく振られるほど、反対側の足(右腕に対して左足)は大きく前に振られて、踏み出されるようになります。
このようにポールを使った歩き方の最終的な目的は、ポールなしでも大きく腕を振って、勢いよく前進できるようにすることです。