健康の常識が非常識にならないためにすること

血糖値を上昇させるのはブドウ糖だけでなく、日本人の場合には脂肪も大きく関係していることを以前に紹介しました。動物性食品に含まれている脂肪(中性脂肪)が多く体内に取り込まれると、これを重要なエネルギー源として脂肪細胞に蓄積するようにインスリンが多く分泌されます。インスリンといえば、血糖値(血液中のブドウ糖の量)を減らす膵臓から分泌されるホルモンですが、その分泌量が日本人は遺伝的に少ないことから、脂肪の摂りすぎによって膵臓は疲弊して、インスリンの分泌量が急に低下して、糖尿病になってしまう人が多いのです。
だから、健康常識とされる、糖質を制限すれば糖尿病にならない、糖尿病を治せるということには、疑問の目をもって考えるべきだということに気づくはずです。
健康常識といえば、他にも伝えておきたいことは数多くあります。それはテレビのバラエティー番組の○×クイズのようなことではなくて、健康の維持・増進によいことであると思って続けていることで、逆に健康を害していることを危惧するようなことです。
悪玉コレステロールだと言って避けていたのに、コレステロールそのものは細胞膜の材料で、血管をはじめとして全身の細胞が健康な状態であるためには必要なものだということに気づいたら、どんな種類のコレステロールを、どれくらい摂ればよいのかが気になるはずです。
悪玉コレステロールと呼ばれるのはLDLコレステロールです。その数値が血液検査で高いことがわかると、コレステロールが多く含まれる肉類を減らそうと考える人が多いのですが、コレステロールの摂取量を減らしても、なかなか数値が下がってくれないという人が多くいます。それは血液中のコレステロールの80%ほどは肝臓で合成されているからです。
それぞれの詳しいことについては、これから徐々に紹介させてもらいますが、健康のためによいということを信じて、頑張ってやったことが逆効果になるという悲しいことだけは避けてほしいのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)