学習障害の一つの識字障害は、知能に問題はないにも関わらず、文字を音に変えることに困難さがあり、文字を見て、音を思い出すまでに時間がかかることを指しています。そのために音読が流暢にできないもので、文章を読むときに時間がかかり、疲れやすくもなります。読むことに困難さがあるということから、読字障害と呼ばれることもあります。
読むことを嫌うようになり、知識の不足から学力の低下を招くことがあります。また、長文を読もうとすると、目で追っていくことが難しいことがあります。
〔識字障害の例〕
*ひらがなの音読が遅く、読み間違える
*文字を逐次読み(一つひとつ拾って読む)する
*単語または文節の途中で区切ってしまう
*単語の文字を逆さに読む(いか→かい)
*形の似た文字を間違って読む(“め”と“ぬ”)
*拗音(きゅ、しゅ)、促音(きって)が読みづらい
*読んでいる文字や文章の意味を理解することが難しい
*早く読むと内容が理解できない
*音読より黙読が苦手
*文章を読むのがたどたどしく、文章の内容(あらすじ)をつかんだり、まとめたりすることが難しい
*読んでいるところを確認するように指で押さえながら読む
*文末などは適当に自分で変えて読んでしまう
*見慣れた漢字は読めても抽象的な単語の漢字を読めない
*読み方が複数ある漢字を誤りやすい
*意味的な錯誤がある(教師をせんせい)
*長い文章を読むと疲れる