ひらがなとカタカナは同じような形に見えるものと、音は同じでも別の形のものがあります。そのために同じようなものは読めても、違うものは読めないということが起こります。また、同じような形の場合には、ひらながとカタカナを混同するということもあります。
ひらがなもカタカナも平安時代初期に作られたもので、ひらがなは漢字を筆書きで崩していって作られましたが、カタカナは漢字の一部を取ったものです。ひらがなの「あ」は安から作られましたが、カタカナの「ア」は阿から作られました。
「か」と「カ」、「も」と「モ」、「や」と「ヤ」、「り」と「リ」は形が近いために覚えやすく、使い分けもしやすくなっています。「か」も「カ」も加から作られたもので、「も」も「モ」も毛から、「や」と「ヤ」は也から、「り」と「リ」は利から作られました。
ほかには「く」と「ク」は久、「こ」と「コ」は己、「せ」と「セ」は世、「そ」と「ソ」は曽、「ぬ」と「ヌ」は奴、「ね」と「ネ」は袮、「の」と「ノ」は乃、「ひ」と「ヒ」は比、「ふ」と「フ」は不、「ほ」と「ホ」は保、「ゆ」と「ユ」は由、「よ」と「ヨ」は与、「ら」と「ラ」は良、「れ」と「レ」は礼、「ろ」とロは呂、「わ」と「ワ」は和と、同じ漢字から作られています。
ひらがなもカタカナも同じ形となっているのは「へ」と「ヘ」で、これは部の同じ旁(つくり)、つまり右側の部分から作られたからです。
同じ漢字から作られたことから、ひらがなとカタカナが似たような形になっているものが多いのは当然のことで、それが混同を生み出す原因となっています。そのため、ひらがなの中にカタカナが入る、カタカナの中にひらがなが入るということも起こりやすくなります。ただ、文字の混同を指摘して修正させるだけではなくて、理解度が高い子どもの場合には文字の成り立ちから教えることで解決に近づけることができます。