脳の健康寿命18 朝食抜きは禁止

ビタミンB₆とビタミンB₁₂は体内では12時間ほどしか保持されないために、朝食と夕食で摂る必要があり、少なくとも朝食を抜くようはことはしていけないというわけですが、朝食抜きがいけない理由は、これ以外にもあります。それは、脳の中でブドウ糖が保持される時間とも関係しています。
脳の唯一のエネルギー源はブドウ糖とされています。その理由ですが、三大エネルギー源の糖質、脂質、たんぱく質のうち血液脳関門を通過して脳に入ることができるのがブドウ糖だけだからです。
極端にブドウ糖が不足したときには、脂肪酸から変化したケトン体が血液脳関門を通過して脳細胞のエネルギー源になるのですが、それは飢餓状態が続くといった緊急時のことで、普通の食生活では起こらないこととされています。
脳細胞に取り込まれたブドウ糖は15時間ほど保持されています。夕食から12時間後に朝食を食べればブドウ糖が不足するようなことはありません。ところが、朝食を抜くと、そこから3時間後にブドウ糖が大きく低下することになります。脳内のブドウ糖が不足してくると節約して使われるようになるので、15時間を過ぎたからといって急に脳の働きが止まるようなことはありません。
自動車でいうとガソリンが不足してくるとエンジンの働きが悪くなりながらも走り続けることができるのと同じような状態です。しかし、その状況は気づきにくく、仕事でも勉強でも集中しにくくなり、効率も低下することになります。中には脳の制御ができずに、キレる、感情が抑えきれなくなる、通常でない行動をするということも起こります。
このようなことがないように、朝食ではブドウ糖が含まれた糖質は絶対に摂らなければならないということです。糖質制限は摂取量の制限であって、摂らないということではないのです。