ウォーキングは認知機能を改善する方法として実践されていますが、その効果を高めるために歩くことだけでなく、栄養との組み合わせ、休養との組み合わせによる方法を採用して健康ウォーキングとして実践しています。この組み合わせの手法は、メディカルダイエットの研究に基づいたもので、エネルギー代謝を高めるために始められたものです。
*ウォーキング×栄養
脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖は、通常は膵臓からインスリンが分泌されることによって細胞にブドウ糖を取り込むGLUT4(グルコース輸送体)が細胞膜に移動します。インスリンの分泌以外では、負荷がかかる運動をしてAMPキナーゼという酵素が作用することでも移動して、ブドウ糖が取り込まれます。
認知機能を維持・向上させるためには、適度な量のブドウ糖を摂取して、早歩きやノルディックウォーキングなどの適度な負荷がかかるウォーキングをすることによって脳細胞にブドウ糖を効率よく届けることができます。AMPキナーゼによってブドウ糖の取り込みが盛んになるのは、すべての細胞でも起こっているので、ウォーキングを継続するためのエネルギーを全身で作り出すためにも有効となります。
*ウォーキング×休養
適度なウォーキングは筋肉の中の脂肪分解酵素のリパーゼを活性化させて代謝が高まっていきますが、この後に体を休めることによって、運動をしていない30分間にも脂肪分解が進み、脂肪のエネルギー代謝が継続しています。
この運動の後の休養によって、自律神経の交感神経と副交感神経の切り替えをスムーズにすることができて、アクティブリラクゼーションとなることで、脳を活性化させることができます。