学習支援12 学習障害の特性①識字障害9

視覚情報処理が正常な状態ではないことから充分に学ぶことができない子どもにタブレットを活用する方法については前回触れましたが、そのことを周囲の子どもたちにも伝えておくことが必要です。見え方が違っているのが一人だけでという場合だけではなくて、見え方が違っている子どもが複数いても、それぞれ見え方は異なっているので、説明がないと理解されず、そのことが識字障害のある子どもに大きなプレッシャーを与えることにもなります。
視力が弱いために文字が見えにくい子どもには眼鏡が使われるのは普通のことですが、それと同じように最新のツールを使うことも普通のこととして捉えられるようにすることが重要と考えます。
このような方法を取り入れたとしても、まだ充分ではないこともあります。発達障害がある子どもの中には感覚過敏があり、その中の視覚過敏によって文字が読み取りにくい場合もあります。白い紙に書かれた黒い文字は、明暗が明らかで、読みやすいというのが一般の印象です。しかし、視覚過敏があると白い紙が、まるでLEDライトを後ろ側から当てられているように眩しく感じて、見えにくいという子どももいます。
どの程度の眩しさなのかは、それぞれの子どもによって大きな違いがあり、紙に書かれた文字を読もうとすることでさえ苦痛に感じるということもあります。それなのに何も工夫をすることなく文字を読むように強要することは、まるで拷問をされているような感覚にもさせてしまいかねません。
眩しさのために、紙に書かれた文字をすべて読むことができずに、1行がまるごと見えていないという例もあります。白い紙ではなく色がついた紙にすること、文字も黒ではなく違った色にすることで見えやすくなる例もあります。これもタブレットのソフトに使用で改善されることはあるものの、完全に改善されることは少ないことから、複数の対応が求められることもあります。