健康ウォーキング61 30分前のカフェイン摂取の効果

ウォーキングを始めて10〜15分はブドウ糖の代謝が先に盛んになり、その後は脂肪酸の代謝が盛んになるということが、エネルギー代謝の特性として一般に伝えられています。その理由としてあげられているのが、脂肪細胞に蓄積された中性脂肪が分解されるまでに、これくらいの時間がかかるからです。運動を始めて、興奮作用があるアドレナリンが放出されると脂肪細胞の中の中性脂肪の分解が始まります。
アドレナリンの放出を早める方法として使われるのが、カフェインが含まれたお茶をウォーキングの30分ほど前に飲んでおくことです。カフェインによってアドレナリンが放出されて、脂肪細胞から中性脂肪が分解された脂肪酸が血液中に出てくるのに、30分ほどの時間がかかるからです。カフェインが多く含まれるのは、緑茶やコーヒーで、烏龍茶は少なめで、ほうじ茶にはあまり含まれてはいません。
緑茶を材料としたトクホ(特定保健用食品)や機能性表示食品には、脂肪酸への分解を進めるものがあり、これを飲むことでも同じような効果が得られます。中には脂肪酸の代謝を高めるものもあるので、こちらはウォーキングの脂肪代謝の効果を高めてくれます。
また、中性脂肪は筋肉の中で脂肪酸に分解されるまでに10〜15分はかかります。筋肉の中には脂肪分解酵素のリパーゼがあって、リパーゼは筋肉が温まると活性が高まっていきます。歩き始めてから筋肉が温まり、リパーゼの活性が高まるのに、10分以上の時間がかかっています。そこで筋肉を温めてから運動をするように準備運動を入念に行うこと、筋肉が温まりにくい寒い季節には厚着をすることもすすめられます。
ウォーキングの効果を高めるための方法は、これまでも紹介してきていて、これからも紹介していきますが、事前の準備も効果を高めるためには有効になるということで、両方を実践することを伝えさせてもらっています。