有酸素運動は30分以上の時間をかけて行うことがすすめられます。それは運動を始めたときにはブドウ糖を中心とした代謝が起こり、それが続くのは10〜15分間で、その後に脂肪酸の代謝が中心となるからです。脂肪酸の代謝の時間を15〜20分は確保して、体脂肪を減らすためには全体で30分の時間がほしいからです。
有酸素運度はウォーキング、サイクリング、水泳、エクササイズなどがあげられますが、最も簡単に実施できるのはウォーキングです。ただ歩くだけだから、30分くらいの時間は取れるはずとの考えから、当たり前のように30分という時間を示しがちです。しかし、30分間のウォーキングに集中する時間を作るのは大変だという人も少なくありません。15分のウォーキングを2回、もしくは10分のウォーキングを3回でもよいのではないか、と考える人もいますが、その考えを否定するのに、初めに触れた脂肪の代謝が中心になるまでの時間のことが使われています。
それは本当なのかというと、実は10分のウォーキングを1日に3回するだけでも効果があり、むしろ3回に小分けしたほうが、より効果が高まることが研究によって明らかにされています。今回は先の小分けにしても効果がある、という説明をさせてもらいます。
歩き始めて10〜15分はブドウ糖の代謝が中心になっているだけで、脂肪酸の代謝も起こっています。ブドウ糖は早くエネルギー化されるので初めのうちは多く使われます。あまり負荷がかからないウォーキングでも、安静時に比べると3倍ほどのエネルギーは消費しています。だから、時間が短くても歩かないのに比べれば、脂肪酸の代謝は高まっているのです。
30分のウォーキングは時間が取れないから歩かない、ではなくて、短い時間でも歩くことが、まずは大切だということです。