書字障害の例について簡単に解説をします。
*年相応の漢字を書くことができない
小学1年生の1学期では、ひらがなとカタカナを学びます。また、1年生のうちの80字の漢字も覚えます。漢字が読めない識字障害では書くことも難しくなります。漢字を読めても書けない書字障害は、記憶に残った漢字のアウトプットができないことが考えられます。書字の規則性がわからないために書けないことも多くなっています。
*書き順を間違える
漢字の書き順は規則性が定められていますが、それが理解できないと形として覚えたままを書こうとします。繰り返し書いて書き順を覚えるだけでなく、規則性を理解して、一つずつ規則性を思い出しながら書くようにすることが大切です。
*書き順を気にしない
書き順を気にしないのは、書き順を間違えたことが修正できないことのほかに、文字を図形として記憶していて、その図形どおりになっていれば正解だという認識があるからです。書き順のとおりでないと早く書けないこと、ペン字や毛筆など筆記具が変わったときの対応がしにくいことを伝えることも大切になります。
*書き文字がマス目や行から大きくはみ出してしまう
マス目の中に文字が収まることが認識できると、その範囲で書こうとします。また、それぞれの文字の部位などのバランスがわかっていればマス目に収まるようになります。それができないのは視界でとらえた範囲と手の動きが連動していないことがあります。また、正しい鉛筆の持ち方ができず、握るように持つと手首の動きで書こうとするために小さく書くことができなくなります。