学習支援15 学習障害の特性②書字障害3

書字障害の例について、前回に続いて簡単に解説をします。
*バランスのとれた文字を書くことが難しい
文字は全体像をとらえて、上下、左右の文字のバランスを用紙の空間に当てはまるように書くことが求められます。全体像がとらえにくい、記憶したことと手の動きが連動していないとバランスが取れない文字になります。また、姿勢や鉛筆の持ち方のためにバランスがとれないこともあります。
*アルファベットの綴りが困難
小学3年生になるとアルファベットの大文字、小学4年生で小文字を習います。以前は英語教育は中学生の教科でしたが、今では小学5年生から始まります。アルファベットは、ひらがな、カタカナ、漢字とは異なる形で、筆記にも独特の規則性があります。ひらがな、カタカナを形で覚えるだけでなく、その規則性を学んでいればアルファベットも覚えることと書くことができるようになります。曲線が多いことから、鉛筆の動きがスムーズにいかないまま育つとアルファベットの綴りで苦労することにもなります。
*文字を書くときに鏡文字を書く
左右が逆になる鏡文字は、記憶したことを書こうとするときに手の動きがスムーズにいかないことが一つの理由です。視覚の異常から、通常の文字を見ても、それが脳の中で鏡文字になって見える例もあることから、そのような状態なのかを確認する必要があります。
*形態的に似た文字を書き間違える
幼いときには文字の形の認識がしにくく、そのために似た形をした文字(“め”と“ぬ”、“わ”と“ね”)を書き間違えることがあります。通常は1年齢につれて、またよく読むことによって改善されていきます。しかし、文字の形を認識する識字障害があると、読めても書くときに間違える書字障害が生じるようになります。