健康ウォーキング64 膝が痛くても歩くことがすすめられる

膝が痛いときには歩かないで、膝を休めること、そして軟骨成分のグルコサミンとコンドロイチンを摂ることくをすすめるテレビコマーシャルが流されています。炎症を起こしているときには、炎症が治るまでは動かさないようにするというのは原則ではあるものの、膝の痛みが治まるまで、ずっと歩かないようにするというのは正しい選択ではありません。
グルコサミンとコンドロイチンを摂取することによって膝の痛みが改善される人は、膝の軟骨成分が不足して、軟骨がすり減っていることがあげられます。軟骨は非常に滑りがよくて、膝にかかる負荷やショックをやわらげてくれます。その軟骨が膝への負荷のかかりすぎや、軟骨が破壊されやすい人の場合には減っていくようになります。
軟骨が減ると軟骨の一部が剥がれるようになり、それがもう一方の軟骨の神経を刺激して、それが痛みとなって感じます。これを解消するには軟骨の成分を補うことと、軟骨の滑りをよくする潤滑成分を摂ることであり、軟骨成分がグルコサミン、潤滑成分がコンドロイチンです。
では、グルコサミンとコンドロイチンが含まれた健康食品を摂れば、それで効果が得られるのかというと、そうではありません。膝の軟骨は骨の端にあるので、軟骨成分は骨の中を通過していくわけにはいきません。軟骨成分を届けるには膝の軟骨を包んでいる滑膜という風船状の組織の中に送り込まなければなりません。血液に入った軟骨成分と潤滑成分は、滑膜の近くまで進んだら、そこから先は滑膜が動くポンピング作用によって引き込まれていきます。そのためには膝が動くことが必要です。
痛みがあるときに無理をして歩く必要はないものの、普通に歩くか、膝を動かすことだけはしないと、せっかく摂った成分を届けることができなくなります。