膝の軟骨の成分であるグルコサミンと、軟骨の潤滑成分であるコンドロイチンを摂っていれば膝の痛みは解消されるように思われがちですが、期待どおりの効果が得られない人も少なくありません。前回、触れたようにグルコサミンもコンドロイチンも膝が動かないと軟骨を包んでいる滑膜の中に入っていかないので、膝を適度に動かしていることが必要になります。それをしないで、“果報は寝て待て”ではないのですが、ただ摂るだけで動かないのでは効果が得にくくなります。
その理由よりも、もっと大きいのはグルコサミンとコンドロイチンの摂取タイミングです。健康食品は薬と同じような形をしていることもあって、グルコサミンとコンドロイチンも食後に摂る人が多くなっています。しかし、これは最悪のタイミングといえます。
以前のグルコサミンとコンドロイチンは高分子で、腸壁を通過しにくいことから効果を得にくくなっていたのですが、そのことがわかり、改良が進んで、今では吸収されやすい低分子となっています。
グルコサミンもコンドロイチンも粘りがある成分です。錠剤型になっているときには粘ってはいなくても、胃の中で水分を吸うと粘度が高まります。食後に摂ると、食べたものに吸着されて構造が大きくなります。そのために腸壁からの吸収性が低下します。だから、グルコサミンとコンドロイチンは空腹時に摂るべきものです。最近、人気が高まっているII型コラーゲンなどの成分も同じ特徴があります。
しかし、健康食品には摂取タイミングを表示することが許可されていません。いつ摂るか、どれくらい摂るかの用法用量を表示できるのは医薬品だけに許可されています。表示されないなら、自分で情報を知って、効果的な摂取を心がけるしかないわけですが、その摂取タイミングは食事との間隔が長い昼食と夕食の間か、就寝前ということになります。