発達障害者の支援を目的とした「発達障害者支援法」の第二条(定義)には、発達障害は「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるものをいう。」と書かれています。
この状態が認められれば発達障害者なのかというと、第二条の2には「発達障害者とは、発達障害がある者であって発達障害及び社会的障壁により日常生活又は社会生活に制限を受けるものをいい、発達障害児とは、発達障害者のうち十八歳未満のものをいう。」と書かれています。
ここで最も重要なことのは「発達障害及び社会的障壁により日常生活又は社会生活に制限を受ける」というところで、「社会的障壁」は発達障害がある者にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のもの(第二条の3)を指しています。
発達障害があるだけでなく、社会的障壁によって活動が制限されることが問題であって、その社会的障壁を取り除く活動をしていないことが、発達障害者・発達障害児を増やすことになっているということを認識してほしいのです。つまり、発達障害がある子どもを、発達障害児にしてしまっているのは、場合によって社会的障壁を取り除くために行動を起こさない私たちのほうにこそ原因があるということです。
「発達障害者支援法」は発達障害の支援は国と地方公共団体(自治体)の責務であると書かれていて、さらに国民の責務ともなっています。その責務を果たすために、自分がやってきたこと、自分が参加しているグループなどができることは何なのかを考え、できることから取りかかることが必要だということを、関心がありそうな方と話す機会があるために話題とさせてもらっています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)