学習支援17 学習障害の特性②書字障害5

書字障害の例について、前回に続いて簡単に解説をします。
*漢字を使いたがらず、仮名で書くことが多い
漢字で書くことができない場合には、複数文字の一部をひらがなで書くことが許されることもあります。しかし、学年ごとに覚えるべき漢字を学んだ後には、教科書や試験問題に使われるため、文章や問いの意味がわからなくなり、つまずきを多くすることにもなります。
*文字を書く際に余分な点や線を書いてしまう
ひらがな、カタカナ、漢字の形を充分に覚えられない、ひらがなとカタカナの違いが明確にできないといった識字障害によって正確に書けない場合と、読んで覚えることができているものの記憶したとおりに書くことができない場合とがあります。
*句読点などを忘れる
句読点(「、」「。」)は文字の一つですが、その意識が充分でないか、理解をしているのに不注意のために忘れることがあります。接続詞のあとに打つといった句読点のルールが理解できていないこともあります。句読点を打つ位置はわかっていても、読点「、」と句点「。」の使い分けを間違えることもあります。文章を読むときに長い文を記憶できないために細かく区切って読む場合には、書くときに読点を多く打つこともみられます。英語の句読点「,」「.」が混じることもあります。
*文章を書くときに助詞などをうまく使いこなせない
単語につける助詞(に、へ、で、の、が)の使い分けができない、接続助詞(ので、けど、し、が)ができない、もしくは助詞と接続助詞が混同するということがみられます。格助詞(が、の、を、に、へ、と、から、より、で)、並立助詞(の、に、と、や、し、か、やら、なり、だの)、副助詞(ばかり、まで、だけ、ほど、くらい、など、なり、やら)といった多彩な使い方を学ぶと、先に覚えたものの使い分けが混乱することもあります。