サプリ概論115 代謝で体脂肪が減少するメカニズム

エネルギー源の脂肪は体内では燃焼していない、という前回の話を受けて、体内の脂肪が減るのは、どのような仕組みなのかということについて説明します。
脂肪は一般には中性脂肪を指しています。中性脂肪は脂肪酸3個がグリセロール1個と結びついた形をしています。動物性の食品に含まれている脂肪も、体内の脂肪細胞の中に蓄積されている脂肪も中性脂肪となっています。このままではエネルギー化することができないので、脂肪酸に分解されてから、全身の細胞の中にあるミトコンドリアに運ばれていきます。ミトコンドリアはエネルギーを作り出す役割をする小器官で、小さなものではあっても数が非常に多く、その重量を合わせると全体重の10%にもなります。それだけ重要な器官だということです。
脂肪酸はミトコンドリアに運ばれると、アセチルCoAに変化します。その後にTCA回路というエンジンのような働きをする部位でクエン酸に変化して、そこからは次々に別の酸に変化していって、一回りするとエネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)が36分子発生します。
このATPがエネルギーとなるわけではなくて、ATPからリン(P)が1つはずれてADP(アデノシン二リン酸)になるときにエネルギーが発生します。また、エネルギーが多く必要な状態になると、ADPからリンが1つはずれてAMP(アデノシン一リン酸)になり、そのときにもエネルギーが発生します。生体の中の化学反応でエネルギーが発生しているということです。
ミトコンドリアのTCA回路で酸が次々に変化していくときには4種類のビタミンB群(ビタミンB₁、ビタミンB₂、ビタミンB₆、ビタミンB₁₂)が必要になります。これが不足するとエネルギー産生が低下することになります。