ポストコロナ「逃げるが価値」3

これまで続けてきたことを続けようとしても、コロナ禍で思うように前進できない状況に追い込まれたのは、何も飲食業や旅行業だけでなく、教育や健康づくりに取り組む団体も同じことです。私たちは健康づくりに関わる教育と情報発信に取り組んできました。通信が充実してオンラインが普通になってきた状況では、教育も情報発信も外出せずに家庭にいてもできることなので、新型コロナウイルス感染症の影響を受けなかったのではないか、とよく言われます。
ましてやコロナ禍による外出自粛、家庭内での食べ過ぎ・飲み過ぎ、健診・検診の減少などによって健康度が大きく低下した中にあっては、健康の維持・増進について学ぶことは、むしろ盛んになったのではないか、とも言われます。
ところが、実際には健康関連の講習を求める人は増えてはいません。それどころか、集客がうまくいかなくなっているところも多く、最も学んで、実践してほしい時期なのに、期待とは違うことになっています。
国民の意識がコロナ禍を経験して大きく変わり、健康について学ぶという自分にも家族にも地域にも役立つことが、断捨離の対象にもなっているようです。学んだからといって、すぐに稼げる、すぐに効果が出るというものではないものは、目先の利益から考えたら断って、捨てて、離れるものに見えるのかもしれません。しかし、超高齢化は進むだけ進み、超高齢社会を支える子ども世代が減る一方の中では、絶対に必要なことです。
では、なぜ関心が高まらないのかというと、これは従来の方法で教育と情報発信をしてきた立場として反省しなければならないことでもあるのですが、絶対に学びたくなる内容でなかったのかもしれないということと同時に、教育を推し進めるグループの規模と勢いが足りなかったのではないかと考えています。その考えを現実化させるための私たちの行動については次回に続きます。